海洋散骨の社会的普及
弊社で海洋散骨のご依頼を初めてお受けしたのは、今から12年ほど前になります。
その頃はまだ、亡くなったらお墓に入ることが当たり前の時代でした。
お墓は家族や友人が故人を思い出し供養するための場所です。
お墓の前で故人を偲び、心の中で会話することで、残された人にとっても心のよりどころともなる場所です。
しかし近年、少子高齢化や核家族化が急速に進み、お墓の継承が困難になってきているご家族の急増や、墓不足などの社会背景もあり、お墓を手離す方がとても増えています。
又、お墓のある土地から親族が離れて暮らしている為、お墓の管理が思う様に出来ないというお悩みのご家族も多い様です。
建墓には高額な費用がかかることに加え、お墓を維持するために霊園やお寺に支払う管理費の他、メンテナンス、そして寺院や墓地の場合はお布施や寄付金なども必要になってきます。
一方、海洋散骨は粉末化したご遺骨を自然に還すという、お墓を持たずに出来るご供養方法です。
お墓を維持するための費用もメンテナンスも必要ありません。
海洋散骨は主に代理(委託)散骨と言って、ご家族は船舶に乗船されず業者にお任せするケースと、チャーター散骨という、ご親族や故人様と親しかった方々と一緒に船舶からお見送りするケースがございます。
代理(委託)散骨の相場は、安価な所もございますが平均して5万円~8万円、チャーター散骨に於いては、船舶の大きさや設備・乗船人数・海域などによっても異なりますが、おおよそ15万円~40万円位の費用となります。
(※海洋散骨は、ご遺骨全てを散骨する場合、分骨の一部のみ散骨する場合や、一部お手元供養で残される方等様々です。)
墓地を購入・管理する費用に比べると、費用面での負担もかなり軽減されます。
こうしたお墓の諸問題を抱えた方の新しいご供養方法として、海洋散骨をご希望される方が近年とても増えてきています。
又、費用面だけでなく、ご乗船された方々には、以下のようなコメントをよくいただきます。
・お墓はあるが、故人の希望(海が好きだった・想い出の場所…等)で散骨を選んだ
・本来の意味で自然に還れる気がする
・富士山が見守ってくれていて安心
・大海原で故人を見送り、気持ちが浄化され吹っ切れた
・海に向かえば、いつでも故人を偲ぶことが出来る
・暗いお墓より断然明るい
などなど・・・
海の広がりや波、太陽の輝きなどを感じながら故人の思い出を美しい環境で送り出す、『散骨』というセレモニーは、参列者の方々の心に平穏をもたらし、皆様の思い出に深く刻まれる瞬間となっていることを、日々海洋散骨のお手伝いをさせていただく際に私共も強く感じております。
大切な人との別れを明るく美しく、そして心に残るものとして捉えることができる特別な体験になると信じております。
※弊社船舶BIG TAKⅡは、国土交通省内航不定期航路届出済み船舶で、弊社の船舶の性能により、運行基準を以下の様に定めており、各数値のいずれかが基準値に達した場合には運行を見合わせております。
■風速:12m以上 ■波高:1.2m以上 ■視程:1000m以下
又、ご乗船人数や高齢者、お子様がご乗船されるかなどの他、航行海域及び風向きによっては運行基準内であっても出航を見合わせる場合がございますので、あらかじめご了承ください。